2008年07月08日

今朝の「朝ズバッ」での「息子介護」の取り上げ方に疑問有り

親を施設に入れるのは「見捨てる」ことか?

 今朝のTBSテレビ「朝ズバッ」で、「息子介護」のことを取り上げていた。しかし、その取り上げ方が気になるので、この場を借りてコメントしておきたい。実は、私も両親を「老健」や「病院」や「グループホーム」に預けて仕事を続けて来ている。父は既に数年前に病院で亡くなり、母は今、2つ目のグループホームで87歳の夏を迎えようとしている。加えて、私は仕事柄、病院や福祉施設に働く看護婦さんや介護職の人々の紹介を通して、今の医療・福祉業界の(少なくとも鹿児島の)現状を一般の方々よりも知りうる立場にある。

 そういう私から見て、今朝のテレビに登場した息子さん(46)の発言には少なからず、違和感を覚えた。自動車の販売業に従事し、月収25万円だったが、母親の介護のために、8年前に仕事を辞め、日々介護に専念する毎日だという。収入は、母親の年金6万円強。兄弟からの援助もややあるかも知れないが、およそこれで、ヘルパーさんへの支払いも含め、二人の生活のすべてを賄っているとのこと。お金が足りずに、親の持ち家も売り払い、働いていたときに蓄えた貯金も底を尽き、これから先の生活の当てが全く立っていないという。この方の一言が私の耳に飛び込んできた。「なぜ施設に預けないんですか?」という質問に対し、曰く、「母親を捨てることになるから」と。私は一瞬耳を疑った。

 介護は、基本的に「社会的介護」に依拠し、自らは自分の生活を立てるために仕事に出る、というのがこんにちの基本的考え方ではないのか?特養・老健で、入所費用は、7万円強、グループホームで11万円位が相場である。親の年金だけで賄いきれない部分を子供が負担するとしても、それは多くて数万円単位であり、その位ならば、男にせよ女にせよ、働くことで稼いだ金額から負担することは十分可能な(もしくは不可能ではない)筈だ。

 そう考えたとき、TBSの報道の姿勢には疑問が湧く。「息子介護」があたかも不可避のことであるかのように取り上げキャンペーンするのは如何なものか?無論、定年を迎えそのため仕事を辞めて介護に専念せざるを得ない方々については別問題である。私がここで問題にしたいのは、30代・40代・50代の男性の皆さんが、「親の介護のために仕事を辞める」という<社会現象>についてである。何か、「家族介護」のあり方についての根本的な意識の転換が求められているのではなかろうか?この問題について皆さんはどうお考えですか? <哲>



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Posted by 代表:岩井哲 at 11:31│Comments(0) │よく分からないこと
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