2009年03月29日

民主党が「熊本鎭台で大敗した薩軍」にならないことを祈る!

 ★明治10年2月15日、薩摩から進発した西郷率いる薩軍は、陸路熊本を目指し、熊本城を守りの拠点とする政府軍を攻めきれず、3月31日の田原坂の戦闘における敗北を機に、一挙に崩れ去り、その後は中九州各地を転戦し、人吉・都城→鹿児島に後退し、9月24日、城山で西郷自刃、薩軍は壊滅した。

 ★この間の政局をめぐる諸動向の中で、民主党の戦い方は、この薩軍の動きに似ているとつくづく思わざるを得ない。<熊本鎭台>の役割を担っているのが、<東京地検特捜部>である。大久保政府の指揮下、政府軍は大軍を熊本城に向け南下・集中させた。

 ★小沢氏の「政治資金規正法違反事件」(今は、検察の立件名称に従っておく)をめぐる攻防は、この熊本鎭台をめぐる攻防になぞらえることが出来ないか。130年後、かの大久保の末裔である麻呆太郎の政権は、東京地検特捜部を漆間官房副長官との連携において、小沢氏に差し向けた。明確な「逆指揮権発動」である。問題は、この攻撃に対する反撃の戦略の如何である。

 ★西南戦争の戦略をめぐっては、当時から既に、陸路・熊本城を突破するのではなく、海路・長崎を経て、関門海峡を通り、瀬戸内海をめぐり、その間、西日本各地の不平士族に挙兵の檄を飛ばしつつ大阪港に辿り着き、そこから先は大軍を編成し、大挙、東海道を東京に向けて攻め上るという戦略が、一部では真剣に検討されたという。この戦略の採用を阻んだものは、桐野利秋・篠原國幹らの近代戦を理解せぬ古典的武断派の論断だったという。桐野に至っては、「熊本城など、この竹のササラで一夜にして落としてみせる」と豪語したという。

 ★今日の政局をめぐる攻防において、民主党は、小沢氏は、何故、無謀な「正面突破」を図ろうとするのか?「政治資金規正法違反事件」など、敢えて言えば、「局地戦」にしてしまえばよいのである。常識的に考えて、(日本国民のこれまでの「民度」を考慮すれば)この「事件」の防衛的議論で、総選挙を攻勢的に戦い抜き、勝利を手にすることなど到底出来る筈がないではないか!心ある国民の誰一人として、そんな不利・不毛な選挙戦を望んではいない。本来の「百年に一度の未曾有の国難を如何に切り抜けるのか、一日も早く経済を立ち直らせ、国民生活・企業経営をどう守り抜くのか」の「大局的議論」に1日も早く立ち戻る以外に、民主党に勝機はないのである。

 ★薩軍は、陽動作戦をもって政府軍を陸路に引きつけ、その実熊本城など迂回して、長崎経由で堂々大阪→東京を目指し、反政府の大軍を率いて、大久保政府打倒を目指せば良かったのである。この論議は、今となっては、「床屋談義」に近い「タラ・レバ論議」になってしまっているが、今日の民主党も、「熊本鎭台」など無視・迂回して、海路・長崎→大阪→東京を目指し大勝利を得る戦略への大転換を、岡田氏を始めとする新たな若きリーダーのもと、速やかに果たせば良いのである。今となっては、勝機はそれしかないであろう。民主党は、心ある国民に余り余計な心配をかけぬよう、豊富な人財をもって、持てる<局面転換能力>を最大限に発揮して貰いたいものである。勝てる試合を、戦略判断ミスでムザムザ落として貰いたくはないというのが、大多数の国民の「声なき声」である!

 ★この西南戦争の勝利をもって、大久保官僚政府が確立し、以来、日本官僚制は我が世の春を謳歌し、今日に至っている。

 ★今また、日本官僚制は、戦後60年、自民党政権を足下に従え、ドンキホーテのように刃向かう小沢・民主党を検察を駆使した謀略をもって撃破し、<永遠・不動の楽園>にすべく、盤石の基盤を築き直そうとしているかに見える。

 ★以下、参考資料2点を転載します。

 ☆元東京地検特捜部・郷原信郎氏「検察は説明責任を果たしているか」
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090327-02-0901.html

 ☆政治評論家・田中良昭氏「プーチンの真似も出来ない」
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090309-01-1301.html


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Posted by 代表:岩井哲 at 09:14│Comments(0) │日本の事
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