2008年06月20日

アキバ大量殺人犯の所属会社ー日研総業の素顔

 1972年に「自動車絶望工場」を書いて「関東自動車工業」の実態を暴き告発した鎌田慧氏が、今回のアキバ大量殺人事件について「私がルポを書いた1970年代より劣悪。季節工には、家賃や高熱水費が無料の寮が用意されるが、派遣は有料。食うのが精いっぱいで、収入が減れば家賃も払えず、追い出される。下流社会にも”格差”が生じている。」(日刊ゲンダイ・6/13より)と述べている。

 また、「トヨタなどの下請け会社の労働問題に取り組む愛知県の”非正規労働者共同センター・名古屋駅前グループ”ら5団体は13日、派遣法の規制、セーフティネット確率などを求める文書を舛添要一厚労相に提出した。”今回の事件で特に問題視しているのは、犯人が’住み込み付き’の派遣労働者だったことでてす。多くの企業は、”社員寮は、管理・維持コストがかさむ”として、派遣会社に人材と住む場所をセットで求めている。そのため、派遣労働者はクビになると職だけでなく、住居も失ってしまうのです。全国のネットカフェには職を失った派遣労働者が寝泊まりしている。国は企業に、労働者次の職をみつけるまで住居を保証させるべきで、そうした要求を考えています」(日刊ゲンダイ・6/17より)

 次に、アキバ大量殺人犯の所属会社「日研総業」は、HP上で以下のコメントを発している。
 「2008 年6 月10 日 各 位  日研総業株式会社  代表取締役社長 清水 真一
秋葉原の事件について   6 月8 日に発生した秋葉原の事件につきましては、犠牲となりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様には心より哀悼の意を表します。また怪我をされた方々の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。
逮捕された容疑者は、2007 年11 月より弊社の派遣スタッフとして静岡県の自動車車体製造業の会社に勤務しておりました。勤務態度も6 月4 日までは欠勤もなく真面目な仕事ぶりであったことから、弊社にとりましても大きな驚きであり、また真面目に働いている多くの派遣スタッフのためにも残念でなりません。
関係各位の皆様方には、多大なご迷惑をおかけすることになり、心からお詫び申し上げる次第です。弊社では、引き続き当局の調査に全面的に協力するとともに、二度とこのような悲惨な事件が繰り返されることのないよう、派遣スタッフの管理体制を改めて見直してまいります。」

 ところで、代表取締役・清水真一氏のHP上での「ごあいさつ」は、以下の通りである。

 「日研総業のルーツは、「ものづくり」のアウトソーシングです。請負という確固たる定義が無い時代に創業し、製造業界の企業の皆様とのお取引を通じて、構内請負業者としての地盤を築いて参りました。新工場の立ち上げ、増産ラインの新設等に参画しそのノウハウを習得するとともに、生産管理、労務・安全管理の面でも経験を重ね、今では数多くの企業の皆様から信頼を得ております。
今後も、創業の精神にも唱っている通り「創造」することを追求し、社会的責任を果たすことにより、この信頼を確固たるものにしていくとともに、多様化した時代のニーズに合った、幅広い分野での総合人材サービスを皆様に提供してまいります。
「ことを成す根源は人材(財)である」という基本姿勢のもと、社員を育てることが、お取引きいただく企業の皆様の発展に直接寄与するものと確信しております。日研総業は、この使命を果たすべく社名にある通り日々研鑽してまいります。」

 また、HPに見る「会社概要」は以下の通り。

 「1981年4月1日  資本金 3億円  従業員 4,206名(2008年4月1日現在)
事業内容 人材派遣事業 業務請負事業 人材紹介事業
一般労働者派遣許可番号 般13-060060
有料職業紹介事業許可番号 13-ユ-060049
役員 代表取締役会長 清水 勝子 代表取締役社長 清水 真一 専務取締役 高橋 渉 取締役 林 昭則 取締役 清水 浩二 監査役 花垣 正勝 上級業務執行役員 小嶋 香月 業務執行役員 狩野 清徳 業務執行役員 小室 敏行
本社 〒144-0051
東京都大田区西蒲田7-23-3 日研第一ビル
TEL : 03-5711-6400(大代表)
FAX : 03-5711-6412(代表)」
 
 また、この会社の北海道から沖縄までの夥しい全国分布は、HP・全国拠点一覧をご参照頂きたい。
http://www.nikken-sogyo.co.jp/company/office_list/index.html

 多くの一般国民の知らないところで、トヨタ自動車ー関東自動車工業ー日研総業のような系列関係のもと、大量の労働者が「奴隷労働」に近い現業労働を強いられているようである。迂闊な我々国民は、アキバ大量殺人事件のような「非日常」を通して、はじめてトヨタ2兆円の利益の源泉たる「派遣労働者」の「日常」を漸く知ることが出来つつある。情けない話だ。

 日研総業・清水代表の「ごあいさつ」の美辞麗句、6/10コメントの通り一遍の「心よりの哀悼の意」から何ほどの真実・誠意が感じ取れるであろうか?「派遣労働者」の悲惨はこのような美辞麗句のオンパレードという仮面のもとで、秘かに水面下で音もなく進行しているのである。それがまた、いつどんな形で表面化し、「爆発」するのか???  <哲>





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Posted by 代表:岩井哲 at 05:14│Comments(0) │日本の事
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