2008年08月18日

拉致問題:「まず制裁解除ありき」の交渉で何が解決出来るのか?

 ★友人で鹿児島市議の森山ひろゆきさんのブログよりの転載です。ご一読頂ければ幸いです。 <哲>

 ☆友人の荒木氏(特定失踪者問題調査会代表)からのメールをお読みください。

 <昨日(14日)午後4時から1時間、内閣府で日朝実務者協議の説明が行われました。
政府側は中山大臣と斎木外務省アジア大洋州局長ら、家族会は飯塚代表他10名、救う会全国協議会が藤野会長他2名、調査会が私と真鍋副代表の2名でした。

 時間が限られていたため調査会からの質問は真鍋が一回行っただけでしたが、全体を通して感じたことは、率直に言って「こりゃだめだ」というものでした。

 斎木さんは「協議の中で『再調査』という言葉は使わず、『調査のやり直し』と言った」と言っていましたが、いずれにしても「調査」自体が馬鹿げた話で、拉致をしていった側が「誰を拉致したか調べる」などという話はどう考えても理屈に合わないでしょう。

 唯一認められるとすれば北朝鮮のメンツを保つということで、まあそれでも何人か帰ってくるなら一定の成果はあったと言うべきでしょうが、それなら「調査委員会の設置」も「調査の進捗過程」の通報も全く無用です。例えば30日の期限を切って、「余計な説明は無用。それまでに全員出すこと。そうすれば制裁の一部解除を行う。しなければさらに制裁を強める」というのならともかく、途中の過程など、どうやったところで全くの作り話に過ぎないのですから、相手の話を聞く方が無駄です。  

 逆に問題なのは、今回の合意からすると、北朝鮮側が例えば「調査委員会を作った。委員長は誰で委員は誰だ」とか伝えてくれば、それだけで日本は制裁の一部解除に入れるということです(もちろん世論の動向を見てでしょうが)。最初に制裁解除があって、それに理屈を付けているだけと思われても仕方がないでしょう。

 ちなみに4年前のとき出てきた調査委員会の責任者(?)は陣日宝という名前で、肩書きは「人民保安省捜査担当局長」でした。この名前の読み方「チニルボ」は「進一歩」と同じで、これは韓国語で「一歩前進」という意味です。これは実務者協議の日本側代表にわけのわからないオッサンを連れてきて「誠済矢目留」という名前にして出すのと同じことです。  

 相手が中山大臣と斎木さんのため、家族会の人たちもかなり言葉を自制していましたが、福田総理が拉致問題解決のために強い意志を持っているとか、政府が一体となってやっているという二人の言葉を信じた人はいないでしょう。私たちはなおのことですが、その言葉が逆に二人に対する不信感を強めたことは間違いありません。

 そして、秋に満足のいく結果(すべての拉致被害者の救出)が出る可能性はほぼゼロです。たとえ数人が帰ってきても、逆に大部分は棚上げ(再調査の継続などの言葉でごまかすのでしょう)になるはずです。  

 「再調査」の細部などどうでも良いことです。政府は「救出」と言わず「帰国」と言っていますが、些末なことを大げさに言い、言葉をごまかして拉致問題の全体像を少しでも矮小化しようとしているとしか思えません。

 国民の側の本質を見据えた姿勢、建設的緊張感が欠かせません。

 だめなものはだめと、はっきり意思表示をしていくことが必要不可欠だと思います。 >


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Posted by 代表:岩井哲 at 10:51│Comments(0) │日本の事
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