2008年09月06日

根腐れ自公政権の基盤に次代の花が咲くことはない!

  福田の”電撃辞任”は、果たして誰にとって「驚き」だったのか?

 ★9/1(月)夜、福田総理が突然の辞任を表明した。かねて予測されていたことではあるが、しかし、あと11日後に臨時国会開会を控え、冒頭の所信表明演説を予定していたこの時期にというのは、政界の一部黒幕連中(森前総理等は、この春以来何度も「辞めたい」と駄々をこねる福田をなだめすかし、自公政権維持のためにアレコレ腐心してきたらしい)を除いては、大方の国民にとってかなりの驚きと同時に、安倍の時以上に呆れ果てる事態であった。念願のサミット議長国の職責を果たし、福田はもう思い残すことは無いかのようであったし、中国新聞の記者に対する「あなたとは違うんだ!」という一国の首相としては余りにも情けない”捨て台詞”は、一貫して低い支持率しか与えなかった国民と参院を制して自らの行く手を阻んだ民主党に対する恨みの”最後っ屁”でもあった。

 ★まして、8/2に大幅な内閣改造をして、「安心実現内閣」を唱ったばかり、これからその”豪華メンバー”で臨時国会に臨み、「国民の安心を実現」していこうという矢先のこの「電撃辞任」は、(国民にとっては、「ああやっぱり」という程度のことではあっても)恐らくは、(命拾いをした太田農水相を除いては)「新閣僚達」の大きな落胆を誘ったのではないか?

 安倍辞任と福田辞任の差異性と共通性は? 

 ★この事態は、我々に二つのことを想起させる。一つは、約1年前の安倍辞任との①差異性と②共通性である。①差異性は、この間我々が問題にしている、公明党の役割と比重である。9/12当日、赤松政雄・衆議院議員は、次のコメントを発表している。「安倍総理が辞任を表明するというニュースには心底驚いた。まるで、自爆テロ的な行動にあ然とするばかり。2時からの記者会見を聴いたが、いささか支離滅裂と言わざるを得ず、精神的な動揺があったようで、かなり疲れておられるものと見た。」それ位、公明党にとっても”電撃”的な衝撃を与えたようであった。

 ★一方、福田辞任に際しては、(9/2「公明新聞」)は次のように党の見解を伝えた。「公明党の太田昭宏代表は1日夜、福田康夫首相の退陣表明を受け、党本部で記者団に対して、大要次のような見解を述べた。一、突然の辞任表明で驚いている。会見を聞いて、総理として熟慮を重ねた結果のご判断だと思う。一、会見でも言われていたように政治空白はつくらない。新しい体制をつくって、緊急経済対策をはじめとした課題に対処したいと言われていたので、首相の決断を重く受け止め、対処したい。」と。自党が仕掛けた悪さをあたかも忘れたように。

 ★福田総理に対しては、公明党は、この間政権運営上、露骨な足の引っ張りに終始してきた。「新テロ特措法」問題しかり、「定率減税」問題しかり、「臨時国会の開会期日」問題しかり、いずれにおいても、民主党以上に公明党の動向は、福田政権の悩みの種であった。その挙げ句が今回の”電撃辞任”である。それを素知らぬ顔で、太田代表は、「突然の辞任表明で驚いている。会見を聞いて、総理として熟慮を重ねた結果のご判断だと思う。」と、のたもうた。言葉とは裏腹に、そこには「驚き」が微塵も感じられない。むしろ、冷静そのものである。その底には、”してやったり”と笑いを噛み殺している風情さえある。時折、テレビ画面に映る公明党幹部の嬉しそうな表情は近来稀に見る程印象的ですらある。

 ★②の共通性は、2人の辞任の弁にある。安倍は、「局面を転換しなければならない。新たな総理のもとで、テロとの戦いを継続する。」と語り政権を投げ出し、同様に福田は、「局面を打開したい」と何度も語り、「この際、新しい体制の下で政策実現を図らなくては。」と自らの政治責任を完全に棚上げの上で、安倍と同じ道を転げ落ちた。(自分は安倍と違って辞任の理由が「病気」ではない、等と言うのは、小学生でも分かる聞き苦しい”論理の蹉跌”に他ならない)従って、「共通項」は明らかに、「局面の転換・打開」であり、二つの辞任を読み解くカギはここにある。

 ★安倍も福田も自分個人の力では「局面を打開」出来ない!と叫んだのだ。2代も同じ現象が、それも1年も経たないうちに続いたというのは、これが「総理個人の限界」ではないということを示している。そう、これは「総理個人」ではなく、自民党(&公明党)の限界そのものにとっての大きな壁にぶち当たってどうしても突破できない、という悲鳴に他ならない。何故か?理由は簡単!自公政権の根っ子が腐り果てているからである。積年の、利潤追求にあくなき財界の専横&硬直した官僚制度の暴走に対し、自公政権では、決して歯止めがかからないのである。

 根腐れ自公政権に決して出来ない5つの政策

 ★具体的には、今の自公政権には、以下のことが逆立ちしても出来ない。①後期高齢者医療制度の廃止、②道路特定財源の廃止、③消えた年金問題の根本的解決、④天下り廃止の公務員制度改革、⑤消費税アップなき財政再建。多くの国民が望んでいるのは、まさに上記5点の政策の実現である。自公の政権基盤では、上記の政策の実現は及びもつかない。長年の癒着故に、官僚・財界との調整は金輪際出来ないであろう。これが出来ないが故に、2人の総理が自沈せざるを得なかったのである。

 総裁選の空騒ぎは自民得意の目眩まし

 ★そこへ突如、賑やかな7人の総理候補の出現である。本命・麻生に対し、出るは出るは、与謝野・石原・石破・小池・棚橋、果ては山本一太の如きピエロ役まで出現し、「劇場型選挙」の再現で国民目眩ましと張り切っている。だが、考えても見るが良い、誰が上記の5つの政策を誰が実現出来るというのか。誰一人その一つだにカケラも手を付けることが出来ないであろう。それなのに、「財政再建派」だとか「上げ潮派」だとか、机上の空論でかまびすしい。彼らの共通項は、積年の国税の浪費の責任を回避し、「埋蔵金」を押し隠したまま「消費税増税」の強行である。その意図を隠さんがためににわか作りの経済政策らしきものを一知半解に主張し合い、根本的な財政・経済無策のままにこの難局を”騙しの手口”で乗り切ろうとしているに過ぎない。

 ★断言できる。根腐れ自公政権の基盤に次代の花が咲く(まして実がなる)ことは決してあり得ない!その実態を立場上良く知りながら、またもや「自民総裁選」の狂騒で視聴率を稼ごうというマスコミの犯罪性は、「自公政権を下支えする共犯者」と言っても過言ではない。多くのマスコミの猛省を促したい。

 ★最後に、野党の皆様にも申し上げたい。麻生が出ようが7人出ようが、ガタガタ騒ぎなさんな。自民の策など透けて見えていた上で、自ら選んだ方針なら、今更慌てくさって、鳩山由起夫氏のように動揺を見せるのは余りにも見苦しいし頼りない。菅直人氏の方が遥かに腹が坐って頼もしい。小沢氏の統率の下で、自民の空騒ぎをよそに、粛々と候補者選びを進め、地元選挙対策の強化に邁進すべきであろう。「代表選に複数候補を立てるべきだった」と悔やんだりするのではなく、敵の空騒ぎの隙を突いて、選挙対策を先に進める時間を確保出来たことで「むしろチャンスは我に在り」と考えるべきではないのか?うろたえず性根を据えて頑張って貰いたい。心ある国民は、事態の真相を鋭く見抜き、諸君をして必ずや総選挙で念願の「政権交代」を劇的に実現させるであろう。


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Posted by 代表:岩井哲 at 15:18│Comments(1) │日本の事
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姉妹サイト・ポティカの方に、コメントが届いていましたのでご紹介します。

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9月6日記事の感想

●自分たちの力を誇示するつもりで、ネチネチいじめていたら”想定外”の自殺をされて、学校や世間が大騒ぎになってから、「やりすぎたかな」と息を潜めて、成り行きを窺っている気の小さい中学生グループを思い浮かべますね。
●「俺たち(だけ)の所為じゃない」と、福田辞任との関係で体裁を取り繕っている公明党のことです。

●そういう印象を小生が受けていた理由も、”根腐れ自公政権”と言われれば、ナルホドと合点がいきます。根っこが腐っていれば、この政権はもうダメでしょうね、花が咲くことはありえませんね。捨てるしかありませんね。

ズバリ本質を言い当てた表現に出会い、小生の気分はスッキリしました。
イジメ中学生と違うのは(writer氏の言われているように「してやったり」と陰で思いながら)巧みに世間の非難をかわす狡猾さでしょうか?

●それから「山本一太の如きピエロ」とか「総裁戦の狂騒で視聴率を稼ごうとするマスコミの犯罪性」などと、まさにわが意を得たりです。「草の根世直し隊」ならではの核心をついた視点ですね。そのとおりですね。同感!同感!

END
日向国いもがらぼくとhttp://2008年09月08日 22時43
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日向国いもがらぼくとさん、コメント有難う御座います。
メルマガにも転載させていただきます。
今後もコメントやご感想をお願いします。<風>
Posted by kaze at 2008年09月09日 11:18
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