2009年02月22日

ヒラリーは米国債のセールスウーマン/泥酔大臣/後出し否定

 黒騎士さんのコメント 2月21②より

 ☆かつてウォールストリートジャーナル一面に(テ゛ス・オブ・ザ・ストック)株式の死とタイトルが付けられた事がありました。当時の米国は高インフレで、長期金利はフタ桁台でした。今では想像出来ないかも知れませんが、日本でも社債利率が年9%台まで上昇しました。尤も、その時こそが株価の大底でした。債券は面白い特長があり、例えば今月発行された国債利率10%として、来月発行分が9%に下がると、今月発行の市場価格は値上がりします。つまり利回り(金利)と価格は反比例します。

 ☆これまで中国や日本が購入・保有してきた米国債は値上がりしているはずです。ただし、どん底金利で購入した債券は、その後で金利が上昇する度に値下がりします。米国からヒラリー国務長官が笑顔を振り撒きながら来日したのは、米国債のセールスウーマンとしてだろうと思います。その意味で言えば、本当は日・中、インドネシア(イスラム金融)だけでいいのですが、ついでに韓国に寄ったのだろうと思います。

 ☆今後、米国は大量の国債を発行するでしょうが、これまでと同様に落札してもらえるか?です。先に述べたように、今後の米国債購入には金利リスクが常にあります。ヒラリーがどのような展開を示したのかに興味があります。

 ☆バーナンキFRB議長はインフレターゲット論者であり、皮肉にも彼こそが最大のリスクかも知れません。また、榊原元財務官(ミスター円)が、民主党政権下の財務大臣になると自ら吹聴していると言います。何かしら打診があったのかも知れません。であれば、水面下で民主党幹部の約束手形がばらまかれているとも想像出来ます。それは統制されたものではなく、恐らく乱発されていると。

 ☆総選挙で民主党単独の政権とならない場合、どう連立を組むかで民主党内部は混乱と主導権争いが起こる可能性は十分有り得ます。そもそも民主党に投票するという事は、証券的に言えば混蔵預託(信認)であり、特定名義の個人候補者よりも民主党候補者という認識によるだろうと思います。故に政権奪取後の内部闘争が激化するだろうと。

 黒騎士さんのコメント 2月21日①より 

 ☆とうとう麻生内閣の支持率がヒト桁に落ち込み、この状態で解散総選挙となれば、想定以上の大敗どころか自民党の解体となる可能性も考えなければならないかと。と言う事で又々『トップを替えて総選挙を闘いたい』と宣う御仁もいらっしゃるようです。

 ☆彼ら自民党の識見溢れる代議士諸氏は、どのような未来を描き、どのような総裁で選挙を、いずれにしても極めて悲惨な結果を招くと事前に予測されているにも拘わらず、闘うつもりだったのだろうか?まぁー、泥酔大臣を任命するような、そのような人物を総理・総裁として選出しておきながら、『あの人ではやっぱりダメ』とか『早く禅譲して欲しい』などなど。今年前半の流行語大賞は(後出し否定)で決まりです。最高作は何と言っても『あの時、本当は反対だったんです。』どいつもこいつも『実はあの時』です。口は事前承認事後否定。政治は衆院可決参院否決で再可決。いずれも(ねじれ)であることは間違いないのだけど。ねじれが積もればこじれとなり、こじれが溜まれば一気に弾けるのが世の常というもの。

 ☆世の常と言えば、自民党なるものを初代が築き、二代目が守り、そして三代目が潰すものでもあります。政権交代は、成るべくして成るのかも知れません。

 黒騎士さんのコメント 2月20日より

 ☆東京市場は円安と株安の一日でした。仮定ですが、外国人が株を売り、円を売って本国へ戻している?のかも知れません。株式市場の6割近くが外国人投資家の売買であり、それが売りのみとなればどうなるか?言わずと知れた事です。ここ一週~二週間、外為市場ではドル不足となっています。株を損切りして、ドルを急いで手当しなければならない。何か近未来の事態に備えておく必要があるのかも知れません。ヘッジファンドの懐具合なのか?米国で新たな危機が起こるのか?それともユギオ2(第二次朝鮮戦争)なのか?

 ☆昨年六月から七月に掛けて記録的連続下落が続きました(当時、見えざる神の鉄槌が下った!と予言しました)、それでも日経平均は14000円~13000円台でした。現在は当時の半分程度ですが、半年足らずで50%下落するのを異常、いや!非常と言わずして、いつ言えるのでしょうか。これは国家非常事態なのです。その認識が弱いというか薄いかな、と憂慮しています。米国は建国以来の民間資本主義ですが、日本は国家資本主義です。それは戦後の傾斜生産政策以来のものです。その温度差は大きいと感じていますし、対応が遅れると最悪の結果となるでしょう。

 ☆さて、市場認識の無さを露呈したのが農林中央金庫の増資です。1兆9000億円!の増資など前代未聞です。サブプライム関連の金融商品保有額が6兆円弱!日本最大の機関投資家ですが、不思議なことに主務官庁は金融庁ではなく農林水産省ですし、理事長は事務次官の天下りポストです。

 ☆いやはや、官は国家主義で、民は資本主義。この断層こそが、今般の危機で露出した最大の成果物なのかも知れません。






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Posted by 代表:岩井哲 at 08:05│Comments(1) │世界の事
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☆証券市場の下落率が半年余りで50%、これは国家非常事態であると書きました。驕り浮かれた資本家に見えざる神の鉄槌が下されたと言えます。
☆さて、政治の世界は自民党が自ら破綻の道を選択しているとしか見えません。言わば不都合な選択ですが、恰も崖に向かって集団で突き進むネズミの様にも思えます。
個別には不都合な選択から距離を置く代議士も出て来ました。渡辺さんは離党する、小泉チルドレンの一部は公然と執行部を批判するなどですが、これは小泉発言に触発されたものです。小泉さんは来るべき政権交代を睨みつつ、自民党から分裂した新自民党(仮に新民党とします)に参加する人々に踏み絵を求めたのではないか?誰が、何人が踏むかです。最近、意外にも与謝野さんの発言に重大な変化があります。元証券マンの直感でしかありませんが、ここに至り彼は麻生政権のみならず自民党にも見切りを付けたのではないか?という予感です。
☆経済の先行きに極めて危機感を抱いているのは当然ながら、彼は囲碁の有段者でもあり、もはや自民党という石の断点をリカバー出来ないと悟ったのではないか。なるほど!現在の盤上(自民党の)は鶴の巣篭もり?か、もしくは石の下となっている!と。もっとも、これは下手の横好きである私の岡目八目なのですが。
☆現下が国家非常事態であり、来たる総選挙の結果に拘わらず挙国一致内閣であるべきです。現実主義の小沢さんは野党となった自民党の一部を取り込んで政策をリードすべきですし、恐らく彼の青写真に含まれているのではないかと推察しています。与謝野さんはその風向きを肌で感じたのかも知れません。その意味では一流の政治家でしょう。
かつて東大生が愛読し、ブームとなった坂口安吾の堕落論(私も中学三年の時に読みました)にいわく、『堕ちよ!とことん堕ちたその中にこそ、人間は神を見い出す』自民党政権の堕落、その先にこそ、本来あるべき政治の姿を、政治家も国民も見い出すのかも知れません。
Posted by 黒騎士 at 2009年02月22日 14:08
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