2008年07月13日

米ケツまくり サミットの亀裂 早くも2日で破裂 

 ☆7月12日配信の「読売新聞」は以下の記事を掲載しました。

サミットわずか数日、米国が温室効果ガス対策を見送りへ 

 【ワシントン=増満浩志】米環境保護局(EPA)は11日、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを既存の大気浄化法で規制するのは不可能だとする通知を発表した。昨年、連邦最高裁に「同法で規制可能だ」と命じられ、具体策を検討してきたが、「同法による規制は経済に悪影響を与える」として断念した。ブッシュ政権は、温室効果ガスの半減を打ち出した洞爺湖サミットからわずか数日で、任期中には対策を具体化させないことを宣言した形だ。

 ★サミット閉幕から、僅か2日、アメリカはその本性を露呈した。「温室効果ガス対策をやる気はない」のだと。このことは、ある意味で当初から予想されていたことではあるが、ここまで迅速にことを運ぶとは!疑念を抱きつつ様子を眺めていた世界中の人々も「唖然」である。このことは、サミット会期中からも、以下の形で懸念が持たれていた。

 ☆7月9日の「産経ニュース」は以下の記事を報道しました。

【洞爺湖サミット】「過去」か「未来」か 責任押し付け合い

 ■過去か未来か?

 「これまで蓄積している温室効果ガスの発生源は、19世紀後半以降、工業化を先に進めてきた先進国だ。責任を認めた上で議論を進めるべきだ」(新興国)「それは否定していない。先進国が率先して削減を進めていくべきとの認識だ」(先進国)

 同日のMEMでのやりとりだ。また中印など新興国側は「新興国といわれるが、いまだ国内に多くの貧困を抱えている。経済成長が少しでも脅かされることはできない」とも訴えた。サミット最終日のMEMで新興国側は、このように先進国の「過去責任」と自らの「成長する権利」を改めて強調した。

 だが、2050年に世界の温室効果ガスを半減するには、50年に世界の排出量の6割以上を占めるとみられる「中印など途上国の参加が不可欠」(ブッシュ米大統領)という「未来責任」があるというわけだ。 経済成長を阻害すると懸念する新興国に対して先進国側は「欧州は過去数年間、経済成長しつつも総排出量が減っている」と反論。温暖化防止をめぐる責任は「過去」か「未来」かという認識の違いを根底に会議は進められた。

 ★約300年前に遡るイギリス産業革命以来の、世界資本主義の繁栄そのものが生み出してきて、ことに20世紀以降加速した「地球環境破壊」、その中でも特に大きな比重を占める「温室効果ガス」の削減は、人類・生物の住める地球の存続にとって、今や一刻の猶予もならない焦眉の課題として、「京都議定書」締結(1997年)の前後から、世界中の心ある多数の人々が共有する最重要課題となって来ている。しかし、問題はそう簡単ではない。上記、「過去責任」か「未来責任」かの対立が深刻な上に、今なお世界資本主義を領導する立場のアメリカが「議定書」を未だ批准していない状況がある。つまり「最凶・最悪」の殺人犯をあらかじめ逃しておいて「犯罪捜査」を進める類の愚挙を、世界はこの10年間犯し続けている訳である。

 ★そのアメリカを中核に含む「8カ国サミット」(MEM=主要排出国会合はその補完物)なるものが、少なくともこの「温室効果ガス削減」のテーマにおいて、初めからどれほど空洞化しているかは、最早言うまでもないことであり、そうした深刻な問題点を隠して行われた単なる「国際政治ショー」(参加各国はそれぞれが、不安定な自国内の政治的安定のためにこの政治ショーを必要としていた)過ぎなかったことを、我々は改めて確認すべきである。この「政治ショー」に日本政府は、国民誰もが知る深刻な財政難のさなか、600億円(建設費350億円、警備費250億円)もの巨費を投じている。国内的には、「福田康夫個人の自己満足」、「自公・福田政権の延命」のためにのみ行われた「国際政治ショー」の結末は、当初から予測されたアメリカの、しかし余りにも早い「ケツまくり」で終わったのである。 <哲>

 



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Posted by 代表:岩井哲 at 06:15│Comments(1) │世界の事
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>国民誰もが知る深刻な財政難のさなか、600億円(建設費350億円、警備費250億円)もの巨費<、
を投じて行われた洞爺湖サミットは、始めから凡その予想は付いていましたが、やっぱりその程度だったかと失望させられて終わりました。
http://yonaoshitai.chesuto.jp/e58612.html

今回の議長国日本の役割と成果ととしては、アメリカが今回初めて二酸化炭素ガス排出規制に積極的な意見(それも50年後を目処に半減という極めて曖昧な努力目標ですが)を出したこと位しか見出すことは出来なかったのですが、そのことさえも舌の根も乾かない内にあっさりと裏切られたわけですね。

いいかげんに、外柔内剛の内弁慶政治を続けている政府や官僚の怠慢を、私達国民の意識が変わることから替えていく必要が有ると思います。
先日の韓国の牛肉輸入反対デモ運動が一瞬にして起こったように、国民生活に重要な問題が起こるという懸案に付いては、国民がしっかりとした意思表示をするということは見習うべき事だと思いました。 <風>
Posted by 世直し世直し at 2008年07月13日 10:54
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