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Posted by チェスト at

2008年06月21日

共同体の崩壊→コミュニティの再構築が課題

 6月9日に、「風」さんが、以下の投稿を下さいました。

 <認証のオートロックシステムや防犯カメラシステム・ホームセキュリティーシステム等・・・、ありとあらゆる近代的な設備が開発されてきて、入居者本人で無いと建物に立ち入れない仕組が人気に成ってきました。そのことで確かに、セールスマンの立ち入りや不審者の立ち入りは防ぐ事ができるように成りましたし、急な来客もめったに訪れないので、プライバシーの確保やフリーダンスの確保という事では優れて来ました。

 しかし、先月の東京・江東区のマンション殺人事件や、今月8日の東京都千代田区外神田4の秋葉原通り魔殺傷事件など、都会の安全性の基準が壊れ始めているような気がします。どんなに設備や機能にお金を掛けても、社会的な基盤が壊れてしまっていては、確かな安全は保証されないでしょう。資本主義の限界と他人任せの政治や行政運営が、如何に危険で理不尽な社会を作り出すかを感じてしまいました。(大事な事は、人任せにしないで自分自身で確かめる事です。)>

 この間、偶々起こった①江東区マンション殺人事件と、②アキバ大量殺人事件という2つの「非日常」を通して、我々は、<「非日常」を通してはじめて「日常」の問題点が透けて見える>ということを体験して来ました。そこに見られる共通項は、①マンションという空間における隣人との関係の希薄化→崩壊、②工場における仲間=同僚の関係の希薄化→崩壊寸前の状態でしょう。①においては、鉄筋の近代的マンションの内部から犯罪は起きており、決して「外からの」脅威だけを考えていても安全は保障されないということ、②においては、雇用者(=派遣会社)と管理者(=工場現場の会社)の完全分離により、労働者の「団結」の根拠(=共通の制約者に対し力をあわせて立ち向かうという構造)が失われているのではないかということを感じます。

 ①昔の長屋や、集合住宅には見られた「隣人との関係=地域性」が現代の高層マンションには失われ、狭い意味での「機能性」のみが優先される。②昔の工場に見られた「仲間意識」が工場の中で失われ、1日の仕事が終わって住居に帰り着いても、そこに家庭はなく、派遣会社借り上げの「寮=アパート・マンション」があり、安らぎどころか孤独だけが押し寄せる日常で、病気になって休んだら給料が減り、家賃=寮費が払えなくなり、寮から速やかに立ち退くことを強制される。昔の、工場に隣接する「労働者住宅街」といった環境からは程遠いものになっている。

 両者に共通するのは、「旧い共同体」の崩壊である。そして、そこに「新たな共同体」再構築の兆しはカケラもない。

 ここで、今後の長い議論のために、仮に「旧い共同体」を単に「共同体」と呼び、「新たな共同体」を「コミュニティ」と呼ぶことにすることを提案したい。

 そう、課題は<「共同体」の崩壊と、それに代わる「コミュニティ」が再構築されていない>ことによる様々の社会的悲劇&従来なかったようなタイプの凶悪犯罪の防止→「コミュニティ」の再構築による新たな社会の建設ということになるではなかろうか?

 この間多発する「親殺し」「子殺し」「親族殺し」などは言うまでもなく「家族共同体」の崩壊であり、そして個別の「家族共同体」を支える「地域共同体=地域社会」の不存在である。村や町の「地域社会」が希薄化し、「労働者住宅街」という「地域社会」が消失し、「三丁目の夕日」の光景が全国津々浦々、どこにも見られなくなっているのである。この映画がもてはやされたのは、そうした過去への限りない郷愁が人々(特に中・高年層)の心に深く渦巻いていることを示している。

 だが、一旦破壊され崩壊した「共同体」や「地域社会」は、そのままではもう戻って来ることはない。これらの崩壊をもたらしたのは何か?それは「資本主義」の力そのものに他ならない。中世ヨーロッパや江戸時代までの「共同体」「地域社会」を崩壊せしめて来たのは「産業革命」であり、帝国主義戦争の遂行を含めた近代・現代資本主義、日本では戦後の高度成長の猛威であった。こんにちでは、中国・インドがまた、そのコースをより大規模に歩み出しつつある。

 このような「共同体」を破壊する巨大な力に対抗して、我々現代人は、極めて意識的な「コミュニティ」再構築の努力・工夫を重ねて行かなければならないと思う。「風」さんが提案される「コーポラティブハウス」の試みも小さなその工夫の一つではないかと思われる。もう少しその辺の社会的意義も強調されるといいのではないかと感じます。

また、「草の根世直し隊」は例えば、主に現役を引退された高齢者が中心となって、地域で子供の通学路を守る運動なども、起こすことが出来るのではないかと考えている。「老人世直し隊」は、様々の工夫とパワーにより、これから、誰も想像出来なかったような大きな社会的力を発揮しうるのではないだろうかと予感します。また、我々の力は直接には及びにくいが、「連合」をはじめとする「労働組合」が、「派遣労働者」の問題に真剣に取り組み、労働者の地域や工場内外における「コミュニティ」再構築の動きを強めて行くことを切なる気持ちで提案したい。 <哲>  


Posted by 代表:岩井哲 at 03:56 │Comments(0) │日本の事

2008年06月20日

アキバ大量殺人犯の所属会社ー日研総業の素顔

 1972年に「自動車絶望工場」を書いて「関東自動車工業」の実態を暴き告発した鎌田慧氏が、今回のアキバ大量殺人事件について「私がルポを書いた1970年代より劣悪。季節工には、家賃や高熱水費が無料の寮が用意されるが、派遣は有料。食うのが精いっぱいで、収入が減れば家賃も払えず、追い出される。下流社会にも”格差”が生じている。」(日刊ゲンダイ・6/13より)と述べている。

 また、「トヨタなどの下請け会社の労働問題に取り組む愛知県の”非正規労働者共同センター・名古屋駅前グループ”ら5団体は13日、派遣法の規制、セーフティネット確率などを求める文書を舛添要一厚労相に提出した。”今回の事件で特に問題視しているのは、犯人が’住み込み付き’の派遣労働者だったことでてす。多くの企業は、”社員寮は、管理・維持コストがかさむ”として、派遣会社に人材と住む場所をセットで求めている。そのため、派遣労働者はクビになると職だけでなく、住居も失ってしまうのです。全国のネットカフェには職を失った派遣労働者が寝泊まりしている。国は企業に、労働者次の職をみつけるまで住居を保証させるべきで、そうした要求を考えています」(日刊ゲンダイ・6/17より)

 次に、アキバ大量殺人犯の所属会社「日研総業」は、HP上で以下のコメントを発している。
 「2008 年6 月10 日 各 位  日研総業株式会社  代表取締役社長 清水 真一
秋葉原の事件について   6 月8 日に発生した秋葉原の事件につきましては、犠牲となりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様には心より哀悼の意を表します。また怪我をされた方々の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。
逮捕された容疑者は、2007 年11 月より弊社の派遣スタッフとして静岡県の自動車車体製造業の会社に勤務しておりました。勤務態度も6 月4 日までは欠勤もなく真面目な仕事ぶりであったことから、弊社にとりましても大きな驚きであり、また真面目に働いている多くの派遣スタッフのためにも残念でなりません。
関係各位の皆様方には、多大なご迷惑をおかけすることになり、心からお詫び申し上げる次第です。弊社では、引き続き当局の調査に全面的に協力するとともに、二度とこのような悲惨な事件が繰り返されることのないよう、派遣スタッフの管理体制を改めて見直してまいります。」

 ところで、代表取締役・清水真一氏のHP上での「ごあいさつ」は、以下の通りである。

 「日研総業のルーツは、「ものづくり」のアウトソーシングです。請負という確固たる定義が無い時代に創業し、製造業界の企業の皆様とのお取引を通じて、構内請負業者としての地盤を築いて参りました。新工場の立ち上げ、増産ラインの新設等に参画しそのノウハウを習得するとともに、生産管理、労務・安全管理の面でも経験を重ね、今では数多くの企業の皆様から信頼を得ております。
今後も、創業の精神にも唱っている通り「創造」することを追求し、社会的責任を果たすことにより、この信頼を確固たるものにしていくとともに、多様化した時代のニーズに合った、幅広い分野での総合人材サービスを皆様に提供してまいります。
「ことを成す根源は人材(財)である」という基本姿勢のもと、社員を育てることが、お取引きいただく企業の皆様の発展に直接寄与するものと確信しております。日研総業は、この使命を果たすべく社名にある通り日々研鑽してまいります。」

 また、HPに見る「会社概要」は以下の通り。

 「1981年4月1日  資本金 3億円  従業員 4,206名(2008年4月1日現在)
事業内容 人材派遣事業 業務請負事業 人材紹介事業
一般労働者派遣許可番号 般13-060060
有料職業紹介事業許可番号 13-ユ-060049
役員 代表取締役会長 清水 勝子 代表取締役社長 清水 真一 専務取締役 高橋 渉 取締役 林 昭則 取締役 清水 浩二 監査役 花垣 正勝 上級業務執行役員 小嶋 香月 業務執行役員 狩野 清徳 業務執行役員 小室 敏行
本社 〒144-0051
東京都大田区西蒲田7-23-3 日研第一ビル
TEL : 03-5711-6400(大代表)
FAX : 03-5711-6412(代表)」
 
 また、この会社の北海道から沖縄までの夥しい全国分布は、HP・全国拠点一覧をご参照頂きたい。
http://www.nikken-sogyo.co.jp/company/office_list/index.html

 多くの一般国民の知らないところで、トヨタ自動車ー関東自動車工業ー日研総業のような系列関係のもと、大量の労働者が「奴隷労働」に近い現業労働を強いられているようである。迂闊な我々国民は、アキバ大量殺人事件のような「非日常」を通して、はじめてトヨタ2兆円の利益の源泉たる「派遣労働者」の「日常」を漸く知ることが出来つつある。情けない話だ。

 日研総業・清水代表の「ごあいさつ」の美辞麗句、6/10コメントの通り一遍の「心よりの哀悼の意」から何ほどの真実・誠意が感じ取れるであろうか?「派遣労働者」の悲惨はこのような美辞麗句のオンパレードという仮面のもとで、秘かに水面下で音もなく進行しているのである。それがまた、いつどんな形で表面化し、「爆発」するのか???  <哲>


  


Posted by 代表:岩井哲 at 05:14 │Comments(0) │日本の事

2008年06月18日

派遣社員・本社員、企業の究極の目的

私も若い頃、ある大手訪問販売会社のマネージャー育成研修会に参加したことが有りましたが、「企業の究極の目的は、利益を追求する事にある。」と教え込まれました。

確かに企業は利益を挙げて存続する必要が有りますが、その利益はあくまでもそこに働く人間(経営者・役員・労働者)皆の為に必要なので有って、企業の利益ををその3者の内のどちらか一部のものだけに傾けよう言う考えが起こることが間違いの基だと思います。

企業の仕組みは、立場的に経営者や役員の決定権が強いのですが、実際の仕事を進めていく労働者をないがしろにしていった企業は、いづれは社会競争の淘汰を浴びて潰れて行く運命に有ります。早いか遅いかの違いは有りますが、必ずそうなっているようです。

始まりは、取るに足らない小さな物(個人)が寄り集まって実に効率的な仕組み(中小企業)が生まれて、成長を繰り返していづれは完成形(上場企業)に成るのですが、完成してしまうと仕組みつくりを行った当初の経営者や役員の組織力が勝ってしまうのです。

始めは個々の皆の為に始めた事業だったはづが、安定経営と成ったときに、実は個々の存続のためではなくその組織が生き残るためには、個々を犠牲にする事も厭わないという哲学まで出来てしまうのです。 つまり、ここに落とし穴が有って、その時々の立場上の強者が弱者を駆逐する関係が始まった時に、その組織の終焉へのエントロピーが始まる分けです。 凡そ人の集団である国の仕組みも似ていると思います。

資本主義だろうと社会主義(共産主義)だろうと、一部の特権を守る方向に働き出した時に崩壊が始まりいづれは国が滅びます。 私たち庶民は、会社を守るように国を憂え国を守る事はもちろんですが、一人の自然人として生き抜くことにも責任があります。 その為にも、派遣社員だろうが正社員だろうが、自分の生存権や夢や目標達成の為に、個人的に努力して生き抜く必要が有ると思います。

理想的な企業経営を出来るような、新しい日本経済のリーダーとして名乗りを上げる人財も欲しいと思います。 又、私たちが暮らす為の地方自治や国家の政治を司る代議員の選挙には、責任を持って適任者を選出する必要が有ると思います。

社会的な違法行為や一部の為の利益供与に走るような代議員に票を投じるのは、
好い加減に止めようでは有りませんか。

自分が生きるために暗闇に巣を作るシロアリの様に、
大黒柱を食いつぶす様な「人罪」を見抜く力を持ちましょう。 <風>  


Posted by 代表:岩井哲 at 18:27 │Comments(0) │時事寸評

2008年06月18日

投稿一部撤回&お詫び 御手洗会長の「偽装請負」 

 昨日の投稿の以下の部分をお詫びとともに撤回致します。

 <今手元に昨日の新聞がないので正確な引用が出来ませんが、経団連会長を務めるキャノンの御手洗会長が、アキバ事件騒動のこのさなかに、「労働者派遣制度」の拡充を訴えたそうです。その神経たるや「立派!」という他はありません。全国民が、アキバ大量殺人事件の悲惨さに息を呑み、その社会的要因の究明・打開に向け深刻に考えようとしている出鼻を挫くように、日本資本主義の総本山たる経団連の会長が、その職責を賭けて吼えた訳です。企業にとって極めて都合の良い、<低賃金・賞与なし・いつでも首を切れる>「使い捨て労働力」の極限の姿がこの「労働者派遣制度」に他ならないからこその「固執」「咆哮」なのでしょうか。>

 手元に材料が見つからず、うろ覚えのままに書いたのが間違いでした。情報源は、6/13付けの東京の日刊紙「日刊ゲンダイ」3面の記事でしたが、御手洗会長が「労働者派遣制度」の拡充を訴えたのは、今回ではなく2年前とのことでした。今、ネットを見たら、早速上記の間違い記事が「草の根世直し隊」の名で出ていることに気付きました。反省です。ことの重大さを改めて自覚しつつ、事実誤認に基づく投稿を書いてしまったことを、ここに深くお詫び致します。以後はこういうことのないよう、重々気をつけます。 

 その上で、以下は、ネットからの引用(2008.1.24)であることをお断りした上で、御手洗会長と「労働者派遣制度」の歪んだ関わり(「偽装請負」)の一端を示すために転載させて頂きます。

 <『朝日新聞』は、2006年秋から「偽装請負」の実態をレポートした。実際は人材サービス会社からの派遣なのに、業務請負の契約があるかのように装う「業務請負」を暴いたこのルポルタージュは、 二極化する日本の末端を伝える「調査報道」の名に相応しいスクープだった。 ところが、これに対するキヤノンから『朝日新聞』への回答は、広告費のカットだった。 勝ち組企業・キヤノンの高収益の秘密が「偽装請負」であることが、余すことなく描かれていたからである。広告費カットだけではない。『週刊現代』が「偽装請負」を端緒に、御手洗家の物語にまで踏み込んだ時には、発行元の講談社と著者の斎藤貴男氏に2億円の名誉毀損訴訟を起こした。
 キヤノンが「偽装請負」を長年続け、違法性をたびたび労働行政当局から指摘され、国会でも問題になったことは事実なのである。そして新自由主義経済、市場中心主義の推進者である御手洗氏が、その方向に国家を向けると、「偽装請負」の果ての二極化で、貧困、無秩序、暴力が蔓延する社会となるのも事実なのである。> 

 上記をめぐる筆者の見解等は、改めて次の機会に譲らせて頂きます。 <哲>



 

  

Posted by 代表:岩井哲 at 05:49 │Comments(0) │日本の事

2008年06月17日

何が「労働者派遣制度」の問題点か?

 <こんにちは。私の疑問として、何故若い人々が派遣会社に登録し、派遣されることを選択するのか?就職活動にはリスクが伴うものですが派遣はリスクが低く抑えられ、かつ簡易です。・・・二十代三十代で派遣を選択するのは面倒を嫌うからではないか、と。派遣より紹介を利用すべきです。私自身が専門職紹介会社のヘルプで就職したように、です。ただし当然ながら専門知識と経験が必要です。他を以って代えがたい何かが求められるのが求人側の視点なのです。>

 深川さんのコメントの以上の疑問に対し、私自身、隣接業種ながら必ずしも派遣制度を日常的にwatchしてきた訳ではありませんので、十分なお答えにはなりませんが、今日は基本的な視点と思われることを取り敢えずお答えして置きます。

 労働者派遣制度の隆盛は、平成16年3月1日、小泉改革の一環として大きな法改正が行われてからのことです。従来は、かなり高度な専門的技術的職業に限定されて許可されていた「労働者派遣」が広く製造業一般にまで拡大されて許可されることになったのです。ここに決定的な問題がありました。

 そして、「労働者派遣制度」の最大の問題は、この制度の<採用枠>を決めるのがあくまで企業側ということです。ここに、資本主義の論理が貫徹されます。労働者が就職の門戸を自由に選べる訳ではありません。大雑把に言えば、単純労働(現場労働)は殆ど派遣社員に、特別に限られた専門的技術的職種のみが正社員に割り振られているのではないかと思われます。従って、従来は正社員枠で採用されていた圧倒的労働者大衆の多くが、丸ごと(その割合は、今後精査する必要があります)派遣枠に移されてしまっているのでしょう。

 アキバの犯人が所属していた「関東自動車工業」などはその典型でありましょう。これは、1970年代、鎌田慧氏が潜入ルポ=「自動車絶望工場(ある季節工の日記)」(場所は名古屋)を書いた同じ会社の静岡工場だそうです。これは、かの世界最大の規模を誇るトヨタ自動車の下請会社です。トヨタは製造業で世界一の利益を上げ、自動車の売上台数世界一も目前に迫っていますが、この世界一の利益、営業利益で2兆円を超え、純利益で1兆5千億円に迫る数字は一体何処から生み出されたのでしょう?2兆円余の利益(!売り上げではない!)の陰に如何なる労働者の悲惨が累々と横たわっているのかを、我々は思いやるべきでしょう。

 今手元に昨日の新聞がないので正確な引用が出来ませんが、経団連会長を務めるキャノンの御手洗会長が、アキバ事件騒動のこのさなかに、「労働者派遣制度」の拡充を訴えたそうです。その神経たるや「立派!」という他はありません。全国民が、アキバ大量殺人事件の悲惨さに息を呑み、その社会的要因の究明・打開に向け深刻に考えようとしている出鼻を挫くように、日本資本主義の総本山たる経団連の会長が、その職責を賭けて吼えた訳です。企業にとって極めて都合の良い、<低賃金・賞与なし・いつでも首を切れる>「使い捨て労働力」の極限の姿がこの「労働者派遣制度」に他ならないからこその「固執」「咆哮」なのでしょうか。

 利益最優先のため、普通の労働者が人並みに結婚し、子を育て、家庭を営み、家を建て、孫の面倒を見ていくという「労働力の社会的再生産構造」の維持ー発展という基本的な視点が、この国の経済・政治のトップの脳裏にはカケラもないのでしょうか?彼らは日本社会の未来を、この社会の次の世代の構築を、一体どのように考えているのか?・・・朝の支度の時間が近づいたので、この辺で筆を擱きます。  <哲>  


Posted by 代表:岩井哲 at 07:14 │Comments(3) │日本の事

2008年06月15日

サブタイトルー介護労働の悲惨な現状

 前の投稿で、タイトルが多くの皆さんに馴染みにくくはなかったかと気付き、上記のサブタイトルを追加します。

 ついでに、見苦しい削除忘れも修正(=削除)させて頂きます。第三段落の下から2行目を以下のように訂正します。
 「年2.5~3.5ヶ月位のボーナス(無論、ないところもあります)がついうのても」→
 「年2.5~3.5ヶ月位のボーナス(無論、ないところもあります)がついても」  <哲>  

Posted by 代表:岩井哲 at 06:47 │Comments(0) │日本の事

2008年06月15日

現代の低賃金労働~日本社会の未来は?

 深川さん、貴方の以下のコメントに胸を突かれました。<彼が言ったのは『派遣制度は日本を潰すことになりますよ』でした。・・・半年前まで勤めた会社では社員の六割が派遣でした。それも30代後半までの男女でした。年収が少ないから独身ばかり。男に生活力がなければ相手の女も結婚できない、当然ながら子供も持てないのです。>・・・そう、確かに紛れもなく、「労働者派遣制度」は、現代の底辺労働者を大量に生み出すことで、「労働力の社会的再生産構造」を断ち切り、もって日本社会の根底を崩しつつあると思います。自分の日常生活から余り見えないところで進行している事態なので、迂闊な私など、うっかおり見過ごしかけていたことでした。反省、反省・・・。

 実は同じようなことが、この社会の別な場面でも同時進行しています。私は、ここ数年来、鹿児島市の中心部で医療・福祉関係の「職業紹介所」を営んでいます。あらかじめ申し上げておけば、これは「派遣会社」ではありません。幸いなことに、医療・福祉分野では、人体・命に関わる職業ということで、医療事務などほんの限られた職種を除き、未だ「派遣」は法律上も認めらておらず、従って当社も、あくまで「紹介業」にとどまっています。この仕事から見える、重大な事柄があります。それは、上記の派遣労働者制度とは制度的には異なりますが、根底には共通する問題が横たわっています。

 それは、介護分野における①労働者の賃金の低さと、②契約・パートの労働者の比率の増大です。彼らの基本給は、幅はありますが、11~12万円からよくて15万円位で、それに夜勤手当一晩3000~5000円×月4~5回、その他住宅手当・扶養手当等(無論、ない所も多い)などが付き、総額14万円~18万円位、そこから税金・保険等引かれて、手取り12万円~15万円位の世界です。これにいいところで(病院・クリニック系列など)年2.5~3.5ヶ月位のボーナス(無論、ないところもあります)がついうのても、年収せいぜい実質200万円前後というところでしょうか。(長くなるので、②は記述を省略。)

 ここで、例えば自宅から通う女性などは、家賃いらず(でも家に入れている人もいますー親もそんなに裕福ではない)ですからまだ何とかなります。しかし、そうでない自活する女性は、この中から家賃・車の経費・食費などを除けばいくら残るでしょうか?生活に夢を持てるような可処分所得が果たして手元に残るでしょうか?加えて、男性はもっと悲惨でしょう。若い男性の中で、結婚も出来ず、従って子供も作れず、まして家を建てることなど夢のまた夢、という人々の比率が増大していると思われます。よくテレビコマーシャルで苦しげな表情の若者が、介護労働の窮状を訴えている画面に出くわします(あれも不思議なコマーシャルです)が、まさにあの通りなのです。看護婦さんたちは、まあ、これに3~5万円以上は上乗せした手取りになりますので、たとえ離婚しても子供を抱えて(母子手当などに助けられながら)何とかやっていける状況のようです。

 しかし、若い男性は特に悲惨です。鹿児島は大都会に比べ仕事が少ないので、大卒の若者の介護分野への参入比率が高いようですが、その彼らが低賃金構造に苦しんでいるのです。少しでも給料のいいところを探そうと皆必死ですが、どこも50歩100歩でさほどいい所はなかなか見つかりません。それに、看護婦さんと違って、転職の際「経験加算」(従って昇給)が殆ど認められません。日々、こういう方々を対象に「紹介業務」をやっているのですが、話していて胸が苦しくなることが多い状況です。自分が男だけに、若い頃の自分(私は還暦を過ぎています)の収入などと比べて、その余りの違い(8年前まで私は東京にいました)に正直胸が詰まる思いの毎日です。

 製造業ー工場における「労働者派遣制度」の問題点とは、仕組みや見かけはやや異なりますが、介護労働者の現状も極めて危機的です。この現状を規定する「介護保険制度」を制定(それ自体は正しい)し、その後2年に1回くらいの報酬見直し(引き下げ)を繰り返しているのが、この間の「年金問題」「後期高齢者医療制度」で悪名をはせているかの厚生労働省(名称を「国民虐待省」に変えたらいい!)です。根っ子はみな一つです。・・・現代の官僚ども・自公政権は一体何を考えているのか?

 こうした現状を、何とか打破しなければこの日本社会の未来はないだろうと思いますが、皆さん、如何お考えでしょうか?  <哲>

   

Posted by 代表:岩井哲 at 05:59 │Comments(2) │日本の事

2008年06月14日

ブログのイメージバナーを作りました

 
草の根世直し隊のバナーを作りました。
リンクを貼って頂ける方は、上のバナー画像を御使い下さい。 <風>  

Posted by 代表:岩井哲 at 13:06 │Comments(0) │お知らせ

2008年06月14日

庭に鉢植えの月下美人の花が咲きました


腹立たしいニュースが多い中、我が家の庭には月下美人の花が咲きました。
大輪の清楚な真っ白い花は、太いしっかりとした茎に付いて咲いていますが、その茎は何の脈略も無いような感じで、葉っぱの途中から突然突き出て咲いています。
最近の政治や報道の流れも、なんだか突然の様に湧いて出たものや、玉虫色の良くわからない内容のものも多いですね。 <風>  


Posted by 代表:岩井哲 at 09:33 │Comments(0) │日記

2008年06月13日

エッ福田が「陳謝」???ナーンダ

 ”福田康夫首相は12日夜、政府・与党が後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の運用改善策を決めたことに関し、「高齢者の方々の気持ちを心ならずも傷つけた。率直におわび申し上げたい」と陳謝した。(時事通信)”・・・今朝のネット報道である。

 エッと驚き中味を見たが、全く中味がない。???なになにと眼を凝らして記事全文を見るが、変わらず中味ゼロである。後期高齢者制度はまるでそのまま。福田が「心ならずも」「率直におわび」と言うからには、何か変化があったのだろうと期待を持って探すが、結果はゼロ回答。マスコミも、「・・・」と陳謝した、と肯定的評価を意味する用語で解説する以上、何がしかの中味が必要であろう。しかし何もない!これほど読者を馬鹿にした話はないのではないか。権力におもねる報道は山ほどあるが、ここまで中味のないへつらい報道も珍しい。

”民主党の前原誠司副代表に対し、「今すぐに民主党を離れろ」と受け取れる「退場勧告」を、民主党の国会議員有志3人が2008年6月12日にした。この勧告文は民主党国会議員全員にメールで送られた。(J-CAST)・・・これも今朝のネット報道である。

 ああやっとそうなったのかという程度の話であるが、それにしても遅きに失した感は否めない。しかし、こんないい加減な人物をつい先頃まで「代表」として戴き、この間も「副代表」に据えて来たこと自体、民主党がその見識を疑われる事態であると言うべきである。彼などは早く恋しい自民党に行き、小池と二人「首相候補」に担がれて、楽しい夢を見る位が相応しい役割であろう。 <哲>
  


Posted by 代表:岩井哲 at 10:06 │Comments(0) │時事寸評